やらないことにする勇気

やりたいことややってみたいことは、日々、いくつもいくつも降り積もっていくけれど、年を重ねるごとに、それができる時間はどんどん減っていく。
とても残念だけれど、残り時間とか気力とか体力とかを天秤の片方に乗せてみると、釣り合うやりたいことは、刻々と目減りしていく。
たぶん、それが年をとる、ということなんだろう。

割と長い間、シフォンケーキを焼いてみたい、って思ってた。
別段、シフォンケーキが大好きで、見かけると必ず買ってきて食べてみる、とか、そういうことではない。
たぶん、それは、ほぼ日のなかしましほさん企画で、みなさんがとても楽しそうに、失敗しただのうまくいっただの、わいわいとシフォンケーキを作っているのを眺めていたからだと思う。
仲間に入りたいなあ、と思ったからだと思う。
でも、シフォンケーキを焼くには、いろいろとハードルが高くて、例えば、深めのボールがふたつ必要だったり、卵が3つ4つ要りようだったり、シフォンケーキ型がないとできなかったり、必須アイテムをそろえないとできないお菓子なのだ。
そういうアイテムを、合間合間にひとつずつそろえていき、いつか、作ってみたいと思っていた。
お菓子作りには、時間的ゆとりと気力がいる、特に、たまーにしか作らない私のような人にとっては。
だから、アイテムがそろった後も、いつかはいつかは、と思ってそのままだった。

それが、偶然、卵をたくさんいただくことがあり、時間と心の余裕があったので、ついにやってみる気になったのだ。
オーブンをセットし、道具を出し、材料をそろえ、さあ、始めるか、というときに、ふと気になって、オーブンにシフォン型を入れてみた。

はいらない。

シフォン型というのは真ん中が煙突のように高くなっている。そこがオーブンの天井につっかえて入らないのだ。

はいらなければ、焼きようがない。

小さいサイズの型に買い換えて、分量も換算し直して、作る、という手もないことはない。
だけど、と、そこで考える。
そんなまでして、シフォンケーキを焼きたいのか、私?と自問する。

ちょっとやってみたかっただけなのだ、どんな感じなのか、もしかしたら作ったら楽しいかもしれないので、試してみたかっただけなんだ、と気がつく。
そんなに入れ込んで、時間やお金や気持ちをつぎ込んで、焼きたいのか、と問われれば、それほどでも、と言葉を濁してしまう程度なら、やはり、「今絶対やりたい」ことではないんだろう。

数年来、ぼんやりと漂っていたシフォンケーキであったけれど、一度、すっきりと「やりたいこと」の列からははずれてもらうことにした。
少し心残りはあるけれど、それでも、やらないことにした。
やってみたかったことをやらないことにする、というのは、ちょっと胸の奥がじくじくする。でも、そんなにたくさんのことは、もうできないんだ、と思う。やってもいいな、くらいのことで日々を埋めていったら、どうしてもやりたいことに手がつけられなくなっちゃう気がする。それは、もっと心残りだ。

そんなわけで、時間と心は、もっと切実にやりたいことに使う、と改めて決めたのでした。

by hao3chi1 | 2017-02-01 12:30 | 日記 | Trackback | Comments(0)
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