語学本と言えば、こうやって私は話せるようになっただの、なんだのと、成功話が多いわけですが、 なんと、この本は、「話せるようになる」ということが主題ではなく、 語学研修にこと寄せてメキシコに行ったら、超楽しかったし、また行くし、 という60歳紳士の、語学エッセイなのです。 黒田龍之介先生の語学漫談も大好きですが、青山南先生のこれも、ツボです。 これは、語学エッセイの新ジャンルかも。 なんといっても、「NHKスペイン語講座」の4月と10月を延々と繰り返して、某放送局を潤すも、そんなわけで肝心のスペイン語はさっぱりで、 しかしながら、そこで「努力と我慢が足りん」などとは考えず、 「これは、ナマのスペイン語にどっぷり漬かる環境にないことがいかん」と看破、 単身、ネットで探したメキシコの語学学校に入学してしまう、という行動力。 しかも、メキシコの一般家庭にホームステイ(お互いに、ほぼ語学では通じ合えない状態で)。 それがまた、見境のない青年ではなく、60歳、著名翻訳家の青山先生なのです。 要所要所にスペイン語知識を入れつつ、現地の状況やら、学校の同級生の様子やらを取り混ぜつつ、 「語学好き」「語学研修で外国行くって最高」といううきうき感があふれています。 うらやましい。 私もいつか行きたい。と、心底ふつふつとする一冊でした。 是非、続編お願いします。
by hao3chi1
| 2017-10-10 16:32
| ほん
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