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ルイ・ヴィトンのエキシビションで旅を考える

ブランド物にはさしたる興味のない私ですが、「旅するルイ・ヴィトン」展の広告に心動きまして、会期終了間際ですが、行ってみてきました。
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このエキシビションではルイ・ヴィトン創生期の製品から今日のファッションブランドとしての数々に至るまでを一眸できるのと同時に、
ヨーロッパでの「旅」とはどういうものであったのか、をうかがい知ることのできる内容となっています。

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ハコ好きな方なら血が沸騰するかもしれないくらい、魅力的なトランクがテーマに沿って展示されています。
もうほとんどタンスですよね、というような大きなトランクもあり、解説を読めば、当時の旅行(主として船旅)ではこうした大きなトランクを15,6個も積み込んで出かけた、とのこと。
日本で言えば、江戸時代の大名行列、に匹敵するような荷物だったのでしょうか。

おそらく庶民はこんな大がかりな旅行には出かけなかったのでしょうが、それにしても、旅行というもののとらえ方の違いをはっきりと感じました。
つまり、大トランク旅行では、毎日の(豪華な)生活を続けるために、服やら道具やらをぱんぱんに詰め込んで出かけます。
一方、たとえば、日本の浮世絵で描かれているような旅人は、本当に柳行李ひとつで目的地に向かいます。
日常を盛り込んだ旅行と、潔く非日常と割り切る旅。

本棚に机まで付いたトランクやお化粧道具が整然とはめ込まれたバッグを見ながら、そんなことを考えていたエキシビションでした。
by hao3chi1 | 2016-06-11 21:19 | アート | Trackback | Comments(2)

尾形光琳300年忌記念特別展「燕子花と紅白梅」

根津美術館にて開催中の「尾形光琳300年忌記念特別展 燕子花と紅白梅」に行ってきました。
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初めて行った根津美術館は、青山のオシャレな通りを抜けた先にある緑陰の中に静かにたたずんでいました。
尾形光琳の「燕子花図屏風」と「紅白梅図屏風」を一度に拝見できるのは56年ぶりとのことで、わくわくして足を運びました。

燕子花図屏風では、なんといっても屏風という大画面の使い方に感銘を受けました。
右側屏風に見られる、水平の中の上下動、そして、左側に見られる、無限の広がりを感じさせる対角線の使い方。
画角の切り取り方は、後の北斎などの浮世絵に見られる画面構成と共通するものがありますね。
このあたりのバランス感覚は江戸時代のアーチストが素地として持っていたのかもしれません。

そして、庭園で今まさに咲き誇るカキツバタ。
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この時期ならではの趣向です。
「いずれ菖蒲か杜若」といわんばかりの、リアルとデザインの競演。
粋な演出を心から楽しみました。

紅白梅図屏風は、中央の流水に情念のようなものを感じました。
あの曲線は独特ですね。ぐっと視線を引き寄せます。
本来はあの曲線は銀色だったそうなので、当時はとてもきらびやかなものだったのかなと思います。
今よりもずっと豪奢な印象の屏風だったのかもしれません。

元禄文化華やかなりし頃の絵師尾形光琳。
江戸の美学を堪能した展覧会でした。

by hao3chi1 | 2015-05-11 21:56 | アート | Trackback | Comments(0)

ワシントン・ナショナル・ギャラリー展

三菱一号館美術館で開催中の「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」に行ってきました。
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三菱一号館入り口の案内

今回の展覧会は印象派のコレクションで、セザンヌやマネほか、静かな落ち着いた感じの作品が並んでいます。
印象派は、日本の浮世絵の影響も受けていて、そのせいか、どこか懐かしい感じすら覚えます。
本当に、どこかのおうちの居間に飾られて、家族の談笑を暖かく見守っているような風情の絵の数々。
見る者の気持ちをほっとさせる展覧会でした。

平日であったせいか混雑もなく、ゆっくりと、途中で休みながら鑑賞できました。
三菱一号館は、東京駅近傍にあって、そこだけぽっかりと別の時間が流れているような空間です。
中庭には木陰で休む人たちやテラスカフェがあり、とってもおしゃれ。
印象派の絵はフランスの各地を題材にしたものが多かったせいか、小粋な空気が満ちているように思いました。

by hao3chi1 | 2015-05-01 09:32 | アート | Trackback(2) | Comments(2)