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シュールなフランス語講座

語学好きな、ブログ仲間のみなさまへ、本を一冊。

「山本容子のシュールなフランス語講座」(朝日新聞出版、1600円)

なにも、私、フランス語を始めよう、というわけではないのです。
新聞広告に「大人のための語学上達の極意」とあったので、買ってきたのです。

本は、画家の山本容子さん(ネスカフェの出してる小冊子のイラストとか、リトグラフとか、目にしたことがあるかも)が文と絵を書いています。内容は、前半が単語をモチーフにしたお話と絵が見開き1ページにおさめられている、単語集(といっていいかどうか、わかりません)。後半が、山本さん流上達の極意。
前半部分も十分に、シュール、ですが、後半は、私は今まで思いもしなかった視点からの「語学論」が書かれていて、これもまた存分に、シュール。本職の方のおっしゃる、「シュール」は、やはり、筋金入りであります。

上達の極意、のパートの冒頭に、一文。

妄想の積み重ねと遊び心
これなくしては、大人の語学学習は長続きしません

おおおおお。
更にすごいことに、「上達度を点数に換算しない」「仕事として使うとか、資格を取るとか、完成形として何かを考えない」と、「大人の趣味」について書かれています。

あまりに「大人」の視点でして、一読しただけでは圧倒されて、理解が及ばず、こうしてここに感想を書けるようになるまで、都合10回くらいは読み返しました。

私なりの解釈としては、「大人の趣味としての語学は、そのプロセスを存分に味わい、そこにこそ楽しみがある。終点を決めてフィニッシュしてしまったら、楽しみがなくなっちゃうじゃないの」ということ、かしら、という...

語学熱のベクトルをどこへ向けるか思案中なら、是非一度、書店で手にしてみてくださいね。
フランス語派の方は、前半も楽しめるかも。(絵がまた、シュールなのよ〜)
by hao3chi1 | 2009-05-27 19:30 | ほん | Comments(6)
Commented by まゆの at 2009-05-29 23:10 x
面白そうですね。語学学習についての言葉にいちいち同感できました。絵がまたシュール、というのにも興味が沸きます。近所の本屋で立ち読みしたい、ですが無理です・・・。(涙)
Commented by hao3chi1 at 2009-05-30 20:17
フランスにいらっしゃるまゆのさんに、是非、この本を見ていただいて、特に前半の感想をお伺いしたいです〜。私はあいにくと仏語は守備範囲外なもので。山本容子さんはフランス親善大使にも選ばれたそうですが、さすがにこの本はフランスでは売ってないですね。
Commented by L-monger at 2009-06-01 16:33
以前、山本容子さんのページでこの本の絵のサンプルを見ました。まじでシュールでした(笑)。現在は見れないみたいですけど…残念。

私も上達至上主義ではないので、山本さんのご主張は理解できます。私はあまり上達しなくても良いのですが、それだとつまらなくなりがちなので、仕方ないから上達させようかという…すげー後ろ向きな態度です。
Commented by dkaqua at 2009-06-07 00:32 x
だいぶ前、フランスのニースに2週間ほど滞在したことがあるんですが、その時にフランスがとっても好きになりました。海外の人にはちょっと閉鎖的と聞いていたものの、陽気で温かい人と出会いフランスの芸術にも触れることができとてもいい経験ができました。これにより、海外のどこにいっても生きて行けるという自信を持ちました。そういう意味でもフランスは僕に取って忘れられない国です。またフランス語の「ダッコー」(OKという意味)もとっても好きな表現です。近い将来フランス語も習ってみたいなあと思う今日この頃です。
Commented by hao3chi1 at 2009-06-15 06:16
るもんがさん、レス遅くなりました。絵のサンプル、ご覧になったんですね。アーティストの「シュール」はただものではないですね。山本さんの「上達」は数値目標ではなくて、なんというか、もうちょっと「人文的」なところにあるような感じですよね。最近の語学ハウツーものにはない視点だったので非常に斬新に感じました。
Commented by hao3chi1 at 2009-06-15 06:18
dkaquaさん、レス遅れました。お〜。フランス語にも触手が伸びていますか。すごーい。私は過去、3度以上、仏語にトライしましたが、発音がうまくいかなくて、挫折しました。巻き舌系の発音はやっぱり今でも苦手です。
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